お弁当の話。
お弁当の話。
私の中学校の昼飯は給食ではなく弁当持参だった。
私の母の作る料理はお世辞にも美味いとは言えないもので、なおかつ見た目も悪かった。
そんな母の弁当を、とても恥ずかしく思っていて、学校にも持っていけず、
毎朝、家の玄関に母の作った弁当を忘れたフリをして置きっぱなしにしていた。
そんな母の弁当を、とても恥ずかしく思っていて、学校にも持っていけず、
毎朝、家の玄関に母の作った弁当を忘れたフリをして置きっぱなしにしていた。
でも母は何も言わなかった。
ある朝、4時頃に、私は急にトイレへ行きたくなり目が覚めた。
両親ともまだ寝ているだろうと、そっとトイレまで向かうと、台所で物音がしている。
両親ともまだ寝ているだろうと、そっとトイレまで向かうと、台所で物音がしている。
母だった。
一生懸命レシピを片手に弁当を作っていた。
私は兄弟が多く(5人)、母は全員分の弁当を朝早くから作っていた。
私は兄弟が多く(5人)、母は全員分の弁当を朝早くから作っていた。
そんな事、ちょっと考えれば分かるのに、母の顔をもっとよく見れば分かってあげられたのに…。
それからは絶対に母の弁当を置いていくことはしなかったが、
私は長い間母の心を踏みにじっていた事を考えると今でも涙が出ます。