最大震度 最大津波高
◇住民「津波に備える」
南海トラフで東日本大震災に匹敵するマグニチュード(M)9クラスの巨大地震が発生すると、県内は全域が震度5強~6強の強い揺れに襲われ、沿岸部では3メートル超の津波高を記録するという推計結果が、内閣府の検討会が31日公表した報告に示された。
大震災から1年を経て、県内の自治体では地域防災計画の見直しが始まっているが、「被害想定の再検討が必要」との反応も。沿岸部に住む人たちからは「津波の備えに努めたい」などの声が聞かれた。
県の地域防災計画で想定するM8・5の東南海・南海地震では、ごくわずかな地域で震度6弱、沿岸部で5強を記録すると想定していた。
だが、今回の推計では沿岸部を中心に6弱以上が広範囲に及ぶ。津波高は、想定東南海・南海地震と比べて大半の場所で数十センチ上回った。
12年度に被害想定の再検討を予定している県は今回の結果は最新の科学の知見。それも踏まえて見直したい。
広島湾岸にコンビナート群がある大竹市の担当者は「想定を超えた、という言葉はもう使えない。
それにも耐えられるよう関係機関と協議したい」と語った。
広島市は「データを踏まえて検証していく」と述べた。
三原市危機管理室の村上室長は「今回のデータを参考にハザードマップを作り直すため12年度予算を組んでいる。
できるだけ12年度中に作成して市民に配布し、対象の地域には説明会も開催する予定にしている」と説明。
福山市危機管理防災課の佐藤哲郎課長は「協定を結んだ津波避難ビルなどの新しい情報を落とし込み、県と連携しながらできるだけ早期に見直しやハザードマップ改訂に着手できれば」と話した。
宮島観光協会は、迎える立場で観光客の安全の意識を高めようと、防災の講演を開く準備を進める。飯田勝彦事務局長は「観光のお客様に対する行政の施策は震災以降も一向に進んでいないと感じる。
避難場所の確保や島を挙げた訓練など、皆で一緒に動かないといけない」と話した。
最大震度 最大津波高
中区 6弱 3.2
東区 6弱 -
南区 6弱 3.4
西区 6弱 3.2
安佐南区 6弱 -
安佐北区 5強 -
安芸区 6弱 3.4
佐伯区 6弱 3.1
呉市 6強 3.4
竹原市 6強 3.0
三原市 6強 3.1
尾道市 6強 3.3
福山市 6強 3.3
府中市 6弱 -
三次市 5強 -
庄原市 5強 -
大竹市 6強 3.1
東広島市 6弱 3.0
廿日市市 6弱 3.3
安芸高田市 5強 -
江田島市 6弱 3.6
府中町 6弱 -
海田町 6弱 3.4
熊野町 5強 -
坂町 6弱 3.4
安芸太田町 5強 -
北広島町 5強 -
大崎上島町 6弱 3.1
世羅町 5強 -
神石高原町 5強 -
※津波高の単位はメートル