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亡き子への思い絵本に

玉屋ブログ
東日本大震災の津波で、児童74人の死者・行方不明者を出した宮城県石巻市立大川小学校。 同校に通っていたわが子を失った母親8人が今月、絵本を出版した。 タイトルは 「ひまわりのおか」 子どもたちが逃げようとしたとされる小高い川堤に震災後植えたヒマワリの成長と亡き子の姿を重ねたストーリー。 印税は行方不明の児童4人の捜索費用に充てられるという。 絵本は8人が子どもに宛てた手紙を基に、一人一人の思い出が36ページに描かれた。 サッカー選手になる夢、夏休みの虫遊び…。 「もっと笑顔見ていたかった」「たくさんのやさしさをありがとう」。 巻末には手紙がそのまま載せられ、失った命を慈しむ言葉があふれる。 中心となってまとめた福田さんは、書店の震災コーナーではなく児童書コーナーに置いてほしいと望む。 亡くなった6年生の長女=当時(12)=と3年生の長男=(9)には、よく絵本を読んで聞かせた。 「子どもに絵本を読んであげられることが当たり前じゃないと、多くのお母さんに知ってもらえたら」。  母親の一人(43)は 「とにかくあの子のことを残したくて」 と本に託した思いを語る。 「絵本なら小さい子も何か感じるはず」 大人だけでなく幼子にも津波の恐ろしさを知ってほしい。 そんな願いも込めた。  「また夏がきたら会おうね。ずっとずっといっしょだよ」 絵本はこう締めくくられる。ヒマワリの咲く丘は、2度夏が過ぎ秋を迎えた。 
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