戦争なくす努力続けて
広島での被爆体験をもとに描いた漫画「はだしのゲン」の作者、中沢啓治さんがこのほど、広島市内で子供たちに6歳で被爆した自らの体験を語り、
「今の平和は自然にあったものではない」
と平和の尊さを教えた。
中沢さんの言葉に、子供たちは真剣な表情で聞き入っていた。
講演会は広島教育会館が親子で平和について考えてもらおうと主催した
「親と子のヒロシマ体験学習」
の一環。県内の小・中学生と保護者ら約60人が参加した。
「やけどをした人たちは幽霊のような格好をしていた。
幽霊の行進が目の前をぞろぞろ歩いていた」
「夜になると『水、水、水』の大合唱で眠れない。
水を与えてあげると何秒後かには死んでしまっていた」-。
幼い目に焼き付いた恐ろしい光景を、生々しい表現を交えて話した中沢さん。
子供たちに「戦争と核兵器をなくす努力を続けてほしい」と訴えていた。
尾道市の小6年、神原君は
「原爆でやけどを負った人の話が印象に残った。家に帰ったら弟たちにも戦争がどういうものなのかを伝えたい」と話した。