夕焼けのお話。
保育園の時です。
ちょっと貧乏だった私の家は、共働きでした。
保育園は3時に終わるのですが、親が仕事などで迎えに来れない子は
保育園が延長保育で見てくれていました。
私を含め、10人くらいいました。
みんなで運動場でゲームをやったり、遊具に乗ったりして
迎えが来るまで過ごすのですが
夕方になるにつれ、だんだん迎えがきて
最後は私と2人の先生だけになりました。
私は子供心に
「私だけまだ居て、先生に悪いなぁー」
とか
「もう、母さんこないのかなぁ」
とか、考えてました。
なんだか寂しくなってきたころ、ふと外を見ると
「ヨシーっ!ヨ~~~~~シっ!」
夕焼けで真っ赤に染まった道路の向こうから
母が自転車に乗ってやってきました。
私の名を呼んでいます。
あの時の母の呼び声と、夕焼けの赤さと、先生の優しい顔が
脳裏に焼き付いてます。
その光景を思い出すと、なんだか涙ぐんでしまいます。
ただの日常的な光景なのにね・・・