おねえちゃんのお話。
妹の友だちだった。
幼い頃から脳の病気を患っていて、手術の繰り返しで四肢もまともに
機能しなくなってしまって、それでもがんばって歩いて学校に登校していた。
小学生の頃、一度帰宅時間にその子と一緒になったことがあって、
友だちの姉として面識の会った私はなんとなく一緒に帰ることになった。
片足が麻痺していて歩くのにとても時間がかかるその子。
私はその日遊ぶ約束をしていて、正直早く帰りたくて仕方がなかった。
会話もあまりはずまなくて、その子の家まで送るべきだったのに、
「いいよ。私ひとりで帰れるよ」
と言うものだからそれに甘えて途中で別れた。
数年後、あの子が長くないと母に教えられて妹と見舞いに言った。
個室で、脳の病気のせいでその子とわからないくらい
頭が肥大していて、人工呼吸器も苦しそうで意識は殆どないようだった。
その子の母はもの凄く冷静で、淡々とあと一週間かなとつぶやいてた。
母は号泣していたけど、私と妹はなんと言ったらいいかわからなくて、
ただ突っ立ってその子を見守っていた。
まだ15歳だったのに、そのまま死んでしまった。
その子の家に行ったら、まだ部屋がそのままになっていて、机に
飾られた写真、元気そうに笑ってる写真を見ていたら一緒に帰った
あの日のことを思い出した。
「おねえちゃんおねえちゃんって
・・・はひとりっこだからすごく嬉しそうだったのよ」
そんなこと言われて、おうちまで送ってあげればよかったなと思ったら
涙が止まらなかった。
ごめんね。