被災地へ視察④
--東日本大震災から1年半が過ぎました。復興の状況は・・・
続き・・・・
学校を強い揺れが襲った時、釜石東中の1、2年生は部活動、3年生は帰宅準備をしていた。校庭の生徒は揺れが収まらぬうちに走り出した。「逃げろー。走れー」。副校長が生徒212人と教諭16人を誘導した。校舎にいた生徒も上履きのまま飛び出す。隣接する鵜住居小の児童に「津波が来るぞー」と叫び、1次避難所の福祉施設「ございしょの里」を目指した。

地震から約10分後の午後2時55分ごろ、釜石東中の生徒らは700メートル先のございしょの里に到着した。訓練通りクラスごとに整列、初めて点呼を取る。大きな余震が続き、裏山の岩肌が崩れた。「ここでは駄目だ」。より高台の介護事業所へ再び走り出した。
当時中学3年の女の子は、鵜住居小の男子児童と手をつないで逃げた。「大丈夫だよ」。不安そうな男の子を励ましたが、自分も恐怖で後ろを振り返ることができなかった。
3時15分ごろに介護事業所に到着。再び点呼を始めると、「津波が来た!」と教諭が叫んだ。最後尾の副校長は「逃げろ、止まるな。自分の命は自分で守れ」と大声を上げ、さらに高台へ向かった。
釜石東中学校の生徒らは日ごろの訓練の成果で一人の犠牲者も出さず、「釜石の奇跡」とたたえられた。
現在は、学校は移動して高台に仮設校舎で日々勉学に励んでいます。被災にあった学校は校庭は瓦礫置き場となり校舎は取り壊されていました。