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またどこかで会おうねのお話。

玉屋ブログ

僕は、以前病院勤務してたんだ。とはいっても看護婦や医者とか有資格者じゃないんだけど。
ある日、掃除しようと思ってある病室に入ったんだけど。

よく知らずに入ったら、どうやら患者さんがもう危ない・・・って場面だった。
「まずい部屋に入っちゃったな。」って思いながらも掃除をしていたんだ。

そしたらさ、旦那さん(40後半位)が寂しそうな笑顔でありがとうって言ってくれる。
家族としての最後の場面を邪魔したような気がして、なんか居た堪れなくなって目に見えるところだけ掃除して出てしまった、もう逃げるように。
部屋から出て廊下を掃除してたら中から声が聞こえてくるの。

掃除途中で出てきたので「なんか文句言われて無いかな」って思ってたらさ旦那が子供(10歳前後)に
「ママにチューしてあげなよ。もう何年もしてないだろ?最後にもう一回。
…ちゃんと、『ありがとう』『心配しないでね』『またどこかで会おうね』って声掛けてあげて
泣いてばかりだとママも心配しちゃうから。」
って言って部屋から出てきた。
でもさ、その旦那は部屋から出たとたんに、しゃがみ込んで泣き始めた。

多分、子供の前では強がってたんだろうな。
自分が泣いたら子供が余計につらくなるって思ったんだろうな。

旦那が子供に言わせた言葉は、旦那自身が何度も心の中で呟いた言葉なんだろう。
そう思っていたら全然知らない患者さんの死がとても身近に感じられて涙ぐんでしまったよ。

俺も、最愛の人が亡くなる場面に立ち会うことがあったら
『またどこか出会おうね』
って言葉を言いたい。

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