知らなかった事実のお話。
小学5年生になったある日、祖母が親戚の法事で遠く離れた親戚の家に泊まりで行った。
その頃、祖父は病気で入院していた。
祖母は3日間位で帰ってくる予定だったのに、心臓が悪かった為倒れてあっちの病院に入
院してしまった。病状がかなり悪かったらしく、手術をしてしまうはめになり、思ったよ
り入院は長くかかってしまった。 その頃、地元では祖父の容態が急変しそのま
ま帰らぬ人となってしまった。
祖父が亡くなって1か月後、祖母が退院して地元に帰ってきた。祖母は、心臓に悪いから
と祖父が亡くなった事を知らされてなかった。仏壇の前に連れて行かれ、始めは何が何だ
か分からないという感じだったが、ようやく現実を受け止めたようで、仏壇の前にしゃが
みこんで大きな声で泣いていた。
それを陰から見て、私は幼いながらも涙が止まらなかった。
今になっても、その時の光景が頭から離れない。