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親父の気持ちのお話。

玉屋ブログ

家族でお出かけ中、4つ違いの妹(当時小学生)がビタン!と転倒、泣き叫ぶ妹を親父は抱き起こし、泣きやむまでおぶって歩いた。 

厳しい親父だったし、俺はそんな事してもらった事はなかった。
小坊だった俺はその場では文句も言えず、後で母親に「ずるい…」とか拗ねてみせた覚えがある。 

それから十余年、俺が一九の時に親父が胃ガンになった。
告知はしていなかったが親父は自分の病状に気づいている様子。
見舞いに行ったある日、親父は俺にこう言った。

 「10歳の時、○子(妹)が転んだ事、覚えてるか?」
 「うん」
 「母さんから聞いた。悪かったと思ってる。でもな」
 「今更何だよ」
 「○子は優しく育って欲しいから助けた。おまえは強く育って欲しいから放っておいたんだよ」
 「・・・・」

泣いちゃいけないと思いながら、泣けて仕方なかったよ。

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