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兄一人でのお話。

玉屋ブログ

両親が死んだのは、兄が大学2年生、私が小学5年生の時でした。
お兄さん、やっと素敵な人と巡り会えて、幸せな結婚をできた私のお兄さん。
親の庇護のもとで明るい青春を送る人たちの中で、お兄さんは自分の境遇を
どう思ったのでしょう。
もしかしたら、私の知らないところで嘆いていたのかもしれない。でもまだ子供の私に、
あなたは愚痴ひとつ言いませんでしたね。
大学に入った今なら、お酒を仲間と飲む楽しさが分かります。でもお兄さんは、
いつも私と一緒に夕飯を食べてくれましたね。
一番遊びたかったはずなのに。一番楽しいときだったのに。
あなたは私の母親になろうとし、父親の代わりになろうとしました。
中学に上がった頃、私はお兄さんにあまり甘えなくなりましたね。
寂しそうな顔が、今でも目に浮かびます。ごめんね。
これ以上負担になりたくなかくて、私は何も言わず、かえってお兄さんを傷つけてしまった。
私をお荷物だなんて、お兄さんは決して言ったことなどなかったのに。それどころか
自分の不遇に気づかない位、私を大きな愛情で包んでくれていたのに。
好きな人ができたとき、お兄さんは最初に私に紹介してくれました。
素敵な人を今、隣に迎えたお兄さん。やっとです。やっと、支えてくれる人を
見つけることができたんですね。よかったね、お兄さん。
嬉しすぎて、他に言葉が見つからない。嬉しすぎて、涙が後から後からあふれてくる。
ありがとう、お兄さん。本当におめでとう。

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