ちんぢのじっちゃんのお話。
ちんぢのじっちゃん。
苗字が辻なんだけど俺がちっちゃいころ辻って言えなくて”ちんぢのじっちゃん”って読んでたんだよね?
ちんぢのじっちゃん。
俺ちんぢのじっちゃんに感謝の気持ちいっぱい伝えたいんだよ。
・俺が赤ちゃんのころ、ちんぢのじっちゃん俺の体に悪いからって大好きなタバコ真冬に外で吸ってたんだってね?
・俺が保育園のころ毎日俺を迎えにきてくれてたんだよね?
・俺が小学生になったばっかりのとき、でっかい机買ってくれたよね?
・小学生高学年のとき、俺ポケモン金バージョン買って見せた時ちんぢのじっちゃん入院してたけど顔くしゃくしゃにして一緒に喜んでくれたよね?
・自分が肺癌だって知って毎日すごい苦しいはずだったのに俺がいくといつもくしゃくしゃに笑ってくれてたよね?
・悪化してもう声も出せなくて体も動かなくなったのに口でペンくわえて『りんごたべなさい』って俺のことばっかり考えてくれてたよね?
・集中治療室に移動するってきいて親族みんなで行ったらちんぢのじいちゃんくしゃくしゃに笑って泣いてたよね?
・ちんぢのじっちゃん最後の最後まで俺達のこと考えてくれてよね?
・がんばって口でホワイトボードに『へやだい、たかい、すまない』って書いたよね?
自分のことより入院費や部屋代のこと心配してたよね?
それが最後の言葉だったんだよ。ちんぢのじっちゃん。
葬式終わってから母さんから俺のちっちゃい時の話聞いたよ。
俺にクソジジイって言われて陰で泣いてたんだってね?
ごめんね。そしてありがとう。
ちんぢのじっちゃんのおかげで俺は今幸せに過ごせています。
ありがとう。本当にありがとう!ちんぢのじっちゃん